SBISTスキームの利用有無に関わらず、得た利益にかかる納税は必要です。ここでは、日本の不動産に直接投資した場合、GK-TKスキームを利用した場合、SBISTスキームを利用した場合で、どの程度税率が異なるのかをご紹介します。
組成時:少なくとも投資額全体の1~2%程度
組成時:投資額全体の0.2%+不
動産購入時:0.1%
所有不動産がPE認定される場合:源泉所得税20.42%も(確定申告により上記所得税・法人税と相殺)。
ほぼゼロ
ゼロ
売却代金の10.21%が源泉税を課された上で所得税ないし法人税課税(税率は上記参照)
売却代金に課される源泉税なし。
納税のための納税管理人が必要
(通常は日本の税理士)
源泉所得税20.42%
源泉所得税20.42%。ただし、租税条約に基づき、中国内地、香港、台湾は10%、シンガポールは15%まで軽減できる可能性
銀行、信用組合等からの借入が不可
GKが内国法人のため、GKが銀行や信用組合等からの借入が可能
2024年9月1日現在、一部金融機関にてSBISTスキームを通じた国外投資家向け融資を受けることができる可能性があります
たとえばシンガポールでは、税率は15%まで低減できます。中国内地、香港、マカオ及び台湾に比べると税率はやや上がりますが、シンガポール国外での所得には一切課税されないことが最大のメリットとなっています。
台湾の場合、個人投資家はIIT(総合所得税)とIBT(所得基本税)の両方を計算し、金額が多い方を納税する必要があります。IITで課税対象となるのは台湾源泉所得のみで5%〜40%の累進税率が、IBTでは台湾源泉所得と国外源泉所得を合算した金額に対し一律で20%の税率が適用されます。SBISTを通じて得た所得は国外源泉所得となるためIBTの合算対象となりますが、国外源泉所得に対して日本の源泉税10%などの外国税金がすでに課されている場合には、一定の要件のもと、外国税額控除が適用できます。また、IBTの場合、750万台湾元分は非課税枠となります。
香港の場合も台湾と同様、収益分配時の源泉税は10%になります。台湾とは異なり、香港在住の個人・法人投資家であれば海外での所得が非課税となるため、SBISTスキームを利用して得た収益については、金額の制限なく源泉税が10%で済むことになります。
国による差はあるものの、総じて直接投資よりGK-TKスキームの方が、そしてGK-TKスキームよりSBISTスキームの方がかかる税率が低く、SBISTスキームは他の2種類と比べても圧倒的にコスト競争力が高いことがわかります。投資家の皆様にとって非常にメリットのあるスキームですので、ぜひご利用をご検討ください。